一般社団法人中部航空宇宙産業センター
《航空機技術動向調査》 令和5年度
○ 航空機産業最新技術セミナー
第二回 2023年6月2日(金)13:30~16:25
■航空機ライフサイクルDXの研究開発とCHAIN-X
講師:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
航空技術部門 航空機ライフサイクルイノベーションハブ ハブ長 溝渕 泰寛 氏
JAXA航空技術部門では、高度なシミュレーション技術の適用により航空機のライフサイクルを革新することを目的とする、航空機ライフサイクルDXの研究開発を実施している。また、同研究開発の推進のために、昨年6月に航空機ライフサイクルDXコンソーシアム(CHAIN-X)を設立した。本講演では、航空機ライフサイクルDXの研究開発で取り組んでいる内容とCHAIN-Xの活動について紹介した。
■航空機開発プロセスにおけるMBSE適用について
講師:三菱重工業株式会社 三菱重工業株式会社 民間機セグメント
事業開拓室開発プロセスグループ 上席主任 長倉 宏至 氏
近年、より複雑化する航空機の開発を効率化するための手法/アプローチとして、MBSE(Model Based Systems Engineering)が着目されている。本講演では、MBSEの概要とともに、民間航空機の開発プロセスにMBSE手法を適用した場合の期待される効果や改善点、周辺技術との連携について紹介した。
■民間航空機における生産DXと航空機DXプラットフォーム
講師:川崎重工業株式会社 航空宇宙システムカンパニー
民間航空機総括部 民間航空機計画部 部長 伊藤 慎太郎 氏
民間航空機の開発では技術の高度化や複雑化による開発リスクに対応するため、近年のデジタル技術を駆使したデジタルトランスフォーメーション(DX)実現に向けた動きが活発化している。川崎重工業では民間航空機の国際共同開発に参加した経験を活かし、航空機の機体と生産システムを開発時に同時に検証する仕組みにより、生産DXの取り組みを進めようとしている。
本講演ではこの取り組みの紹介に加えて、航空機ライフサイクルDX (CHAIN-X)コンソーシアムとも連携することでDX拠点(プラットフォーム)の活用による航空機DX実現に向けた活動を紹介した。